ひとりごち

高度プロフェッショナル制度

投稿日:

恥ずかしながら、「高度プロフェッショナル制度」という言葉自体を聞く機会が少なく、しっかり考えたことがなかった。

それもそのはず。
現状は年収が1,000万円以上のような高所得者しか適用のない制度だからだ。
残念ながらというか幸いとしうか、私の給与はその水準の半分程度で全くカスリもしない。

だから制度自体の興味がなかったわけだが、今回ちょっとしっかり調べてみた。
調べるほどに矛盾のある制度だと感じ、物申したいという意味と、ブログの記事の肥やしにしたいという2重の意味を含めて書いてみたい。

高度プロフェッショナル制度とは

あえてこのブログで書く必要もないだろうが、高度プロフェッショナル制度(通称「高プロ」)とはなんだろうか。

数年前に政府が通す予定だった「ホワイトカラー・エグゼンプション」というのを覚えているだろうか?
要はこの制度を煮詰めたものであり、政府が進める「働き方改革」の一つの軸を担う制度。

具体的にはある条件に該当した労働者に関しては、既存の労働法の一部の適用を除外して働かせることができる法律。
ということだ。

ある条件というのは、

  • 年収1075万円以上(収入制限)
  • 一定の職種で働くこと(対象業務制限)
  • その他一定の条件を満たすこと(条件制限)

で、その条件を満たした場合、雇用側(会社側)が

  • 残業代(時間外手当)の支払いが不要
  • 労働時間の制限を解除
  • 休日を取らせる制限を解除

できるという法制度である。

対象業務制限について

では、どの職種が該当するのだろう。

基本的には「高い専門性が必要とされる職種」が対象となる。
具体的には細かい話になるため、法律で規定せず省令で決定・提示するようになる。

現状、コンサルタントや研究開発、アナリスト等の頭脳労働に限られる見込みだ。

年収制限について

年収については平均的な労働者の給与の3倍を相当程度上回ること。
とされる。

平均的な労働者の給与とはいくらなのか?
これも時代や景気によって左右される変数項目となる。
そのため、法律ではなく省令により提示されることになる。

現状、1,075万円以上が該当する見込み。

その他の条件制限

その他の条件としては、

  • 職務内容が明確であること
  • 本人の同意
  • 1年で104日以上の休日を付与

他は割愛するが、法案の印象をソフトにするような、労働者を保護するような条件が一応付け加えられてはいる。

以上が高プロ制度の概要だ。

高プロに思うこと

高プロ法案に関して個人として思うことを書いてみたい。

現状の労働法との矛盾

まず現状の労働法との矛盾点が問題点である。

1週間40時間を超えて働かせてはいけない。

という労働基準法の規定が長く日本の労働環境を縛ってきた。
これについて私は良いとも悪いとも思わない。非常にニュートラルである。

だが、この週40時間制限というのは、
「人間らしい生活を送る為に、また労働者の体力的・精神的状態を保つため。それ以上働かせるのは過労死などの可能性も考えられるため制限する」
という意味があるのではないだろうか。

もちろん、肉体労働の40時間と事務作業の40時間は全く異なる現実もある。
前者は後者に比べ、どう考えても肉体的負担は大きいはずだ。
この問題点もあるにはあるが、それは目を瞑ろう。

だが、良い点として職種や立場を加味せず、一律に適用するという点において優れた法であると思う。

少なくても年収が◯万円以上とか、職種がどうとかという高プロのような別軸での制限は無い。
年収が1000万以上の人は残業時間に制限無くても死なないロボットなのだろうか?
いや、同じ人間のはずだ。

その点において高プロは現行法の精神と矛盾が起きていると思う。

単純に残業代を払わないとか休日出勤手当を払わないだけならまだわかる

残業代を払う必要が無くなるとか、休日出勤の割増賃金・深夜残業の手当のゼロ化。
これだけを見ると、年収1,075万円であれば、それは仕方が無いことだと思う。

おそらく現状でも1,000万円以上稼いで居るのは役員クラス もしくは 大手企業の部長職など限られた人だろう。

それらの人にとって、もとより週40時間を守ろうなどと本人すら思ってないのではないだろうか?
それが高収入を得るための当たり前の代償ではないだろうか。

それでも会社に残るのは待遇が良いからにほかならない。
転職して収入を下げるのが怖いのだ。それならば残業や休日出勤程度はするだろう。健康である事が条件だが。

その意味での残業代等の支払い義務が無いというのは、すでに現状の法律でも管理職としての扱いで支給されていないと思われる。
そのため、この規定は別に問題が無いと感じる。

問題は、それに満たない中小企業の管理職だ

私は現在中小企業の管理職(課長)として働いているのだが、時間外労働手当は一切支払われていない。
私の働く会社はある意味超ホワイト企業なので、精神的な負担や死にたいと思うような事はゼロである。
だから、労働基準法が規定する「管理職」に該当しない、私でも特に残業代ゼロについては問題視していない。
法には反しているだろうが、それを訴える気もない。

だが、最悪なのはブラックギリギリの中小企業の部長クラスだろう。
これは完全に「管理職」に該当し、残業代も何もない割に非常に大きなプレッシャーを受けて働き、かつ給料も500万とかその程度が関の山。

この辺りは今回の法律では条件に当てはまらないため、何の変更もない。

むしろ、このゾーンが一番問題ではないだろうか。
過労死というのも見えてくるゾーンだろう。

高プロで規定する年収1,000万ある人ならば、少々の事は元から目を瞑って働いているはずである。
この高プロの施行で転職をしたりするような、合理性の欠いた行動はしないだろう。

反対意見も論理飛躍が激しい

話は変わるが、憲法9条を改憲するという方針に対して、「戦争法案だ」等と避難する野党も居る。
もちろん、法の解釈によっては戦争も可能であると捉える事もできるかもしれない。
が、論理が飛躍しすぎだ。

今回の高プロについても反対意見としては「24時間働かせても良いなんておかしい」という意見が一例だ。

誰がそんなに働くだろうか。

そんな会社は現代においてドブラック企業で労働市場から見放されているに決まっている。
たしかに2018年現在は労働市場は完全な売り手市場であり、労働者は会社を選べる状態にある。
これが景気が冷え込み、かつての就活難の時代になればブラック企業が生き生きとのさばる状況になるかもしれない。

が、このインターネットが普及した時代、そういった情報はSNSに流れ、自然に淘汰されていくはずだ。

話は逸れたが、24時間働かせる事が可能 みたいな論調で反対をすることに論理飛躍が生まれている。
もう少し実社会を見たほうが良い。

また、年収制限が1,075万円ではなく、いずれ400万円代にまで適用されるのでは?という点で反対する意見もある。
本気か?と。平均年収の3倍の相当以上と明記してあるではないか。
この法律を変更することは、いくら強い政権でも簡単には行かないはずだ。
もう少し現実的に考えてほしい。

まとめ

正直、高プロという制度は対象者も少ない上に、それほど影響もないような制度であると思う。

それよりも、問題になった電通の過労死事件であったり、保育士や介護などの悪待遇を底上げ・保証するような法案の充実を期待する所である。







- ひとりごち


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

お金関係に詳しいアラフォー子持ちブロガー。

副業でせっせとお小遣い増を目論むも、副業が順調すぎて脱サラ&法人化を実現しました。

貯金額は?

Loading ... Loading ...