複式簿記で家計簿つけるって言っても、会計や普通の簿記と同じじゃ駄目だよね
そうだね。でも大体同じ考え方でOKだよ。簿記3級程度持ってれば十分できると思うよ
そうなんだ!それならオレでもできるかも!簿記3級持ってるから。
全商の検定だけど
(全商かよ・・・・そりゃちょい難しいな・・)
このブログで、「家計簿は複式簿記でつけるとより正確に管理でき、お金が貯まる」という話をしました。
意外にもよくページが見られており、もう少し具体的な話をしたいと思います。
今回は、「どういう勘定科目を設定するのが良いか」というお話です。
実際に私が毎日管理している中で使っている勘定科目ですが、各家計によって不要な科目や、足りない科目もあると思いますので、「どういう科目を設定するべきか」という指針も同時に解説していきたいと思います。
今回は、決算書・財務諸表で言うところの「貸借対照表」に掲載する項目の説明となります。
貸借対照表は、ある時点の資産や負債の状況を表す表で、財務体質=家計で言えば家計状態のバランスを把握するための表です。
目次
はじめに
次から具体的に勘定科目を挙げて行きますが、まずは基本的なことから。
「部」の区分について
まず、一番大きな括りである「部」について。
ここは、現在の企業会計の座貸借対照表と同じ区分にしています。
簿記の知識を家計簿に活かすのが目的の一つですからね。極力簿記に準拠した設定ですので、把握しやすいと思います。
資産の部
ずばり、資産の勘定科目が所属します。
現金や自動車(車両)等。一般的な資産という概念に近い勘定科目もあれば、「前払金」等の計算の都合上資産の部に所属させる科目もあります。
この辺りも簿記・会計の考え方とほぼ同じになります。
負債の部
こちらも簿記・会計の区分と同じように、借入金等のわかりやすいものに加え、「前受金」等の計算の都合上負債の部に所属させる科目もあります。
純資産の部
こちらも(以下同文)。
ということで、基本的には資産の部と負債の部の差額が表示されることになります。
つまり、その差額がその家計のその時点の「純資産=正味の財産」という風に言い換えられます。
ここだけ見れば、「財産」という言葉に近い金額を見られます。
「部」の中の「分類」について
次に、「分類」です。
この分類も、簿記・会計の考え方とほぼ同じになります。
流動・固定の分類
資産の部及び負債の部に関しては、簿記・会計の貸借対照表と同じく「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」という分類をしています。
この違いは、基本的に「その時点から1年以内に収入・支出または収益化又は費用化される資産及び負債」を属するようにしています。
詳しくは、以下で各部ごとに説明をしています。
資産の部
資産の部には、流動資産と固定資産という区分があります。
それぞれ見てみましょう。
流動資産
どんな科目を設定するべきか
流動資産には、手元にすでに持っている現金や普通預金等、1年以内に容易に現金化できる勘定科目を設定します。
また、1年分のインターネット費用を前払いした場合の翌年以降分等を前払い費用として勘定科目を設定します。
具体的な勘定科目
例えば財布が2個あって使い分けている場合などは、財布1 財布2といった補助科目で分類しておくと管理しやすいです。
その場合の証券口座内の現金です。複数の証券口座を持っている場合は補助科目で分類しておくと管理しやすいです。
定期的に前払いする科目は補助科目を設定しておくと管理しやすいです。
証券口座を複数持っている場合には補助科目で口座を分ける事もありますが、特に分けなくても問題は無いと思います。
固定資産
どんな科目を設定するべきか
固定資産の区分には、流動資産と微妙に異なり、1年以内に換金が容易ではない資産の勘定科目が含まれます。
例えば、10年満期の定期預金などは解約しようと思えばできないことはないですが、一般的に解約不能と考え、固定資産の区分となります。
その他、積立をして将来受け取る学資保険、個人年金保険等もここに属します。
更に、建物や車両など長期に渡って使用する動産もここに属します。
具体的な勘定科目
負債の部
負債の部にも資産の部と同様に流動負債と固定負債があります。
詳しく見てみましょう。
流動負債
どんな科目を設定するべきか
流動負債には、流動資産と同じ考え方で、1年以内に返済する義務がある借り入れ金等の債務が属します。
例えば、クレジットカードを使って物を購入して、その代金がまだ引き落とされていない場合等に、クレジットカードとして計上すると便利です。
その他、もう消費をしたけど支払いがまだのお金等を「未払費用」として一時的に計上します。
とりあえず受け取ったけど、どういうお金か確定していないような不明なお金を「仮受金」として表示することもあります。
具体的な勘定科目
1年以内に返済の義務のある金額がこちらに属します。
複数のクレジットカードを持っている場合は、補助科目で分けておきましょう。
例えば携帯電話の利用料など、金額確定してから引き落としがあるまでの期間はこちらに入れておきます。
固定負債
どんな科目を設定するべきか
固定負債も、固定資産と同じように1年以上先に返済義務のある借金や、債務を表します。
具体的な勘定科目
例えば、5年ごとに定期的に住宅の外壁の塗装をする場合など、事前に均等に積み立てておく場合に使います。
金額がある程度確定できない場合や、発生するか確定的でない積立は行うべきではありません。
純資産の部
純資産の部は、資産・負債と異なり、積極的に計上するタイプの勘定科目はありません。
どちらかというと、資産の部と負債の部の差額を表示するような意味合いが強く、純資産の部の金額を見ればある程度「家計の純財産」を知ることができる というような捉え方となります。
繰越利益剰余金
どんな科目を設定するべきか
こちらは、毎年の収益と費用の差額の合計額となります。
例えば昨年の損益計算書で純収益が50万円、今年の損益計算書で純収益が80万円あれば、合計の130万円がこちらに表示されることになります。過去の収支の累計ですね。
これが多いほど、家計が財務的にしっかりしているという見方が出来ます。
具体的な勘定科目
過去の家計で余ったお金の累計額で、これの金額を増やしていければ家計は黒字で経営出来ているということになるでしょう。
有価証券評価差額金
どんな科目を設定するべきか
ここに表示する科目は1つだけです。
基本的に、株式や投資信託、FX等の投資を時価評価して、購入したときから価値が上がっていればその上がった分を表示し、下がっていればマイナスとして表示します。
マイナスの場合は、購入したときより価値が下がっているので、実際の財産を食いつぶしている状態ということができるでしょう。
具体的な勘定科目
株式、投資信託、外国株式等複数の投資種類を所有している場合は補助科目で分けておくと良いでしょう。
おさらい
以上が家計簿を複式簿記で行う場合に私が使っている資産・負債・純資産の勘定科目となります。
特に決まりがあるわけではないですし、それぞれが管理しやすく、見やすければ何でも良いと思います。
一例として参考に使っていただければ良いです。
以上で紹介した勘定科目のリストをスプレッドシートにまとめたシートをアップしました。コピペやダウンロードして使っていただけます。