家計管理

これから結婚をするカップルへ。結婚前の貯蓄・貯金・金融資産は公開するな

投稿日: 2018年5月4日      更新日:


プロポーズをして、いざ結婚。
そんな人生においてトップ3に入るだろう幸せな瞬間。

「相手を一生幸せにする」

という気持ちでいっぱいでしょう。

でも少し待って下さい。
結婚するということは、お互いの協力で新しい家庭、更に「家計」を作っていくということです。
その場合、結婚後にどうやって家計を管理していくかという点も、結婚前に考えておくべきです。

今回は、そんな結婚後の家計管理に備え、結婚前に絶対に必要な心構えと行動について書いていきたいと思います。

目次

結婚前にしておくこと、知っておくこと、考えておくこと

結婚生活経験者の私が、結婚前に実際に常に考えていたことや、考えておいた方が良かったと現在思っていることは、次の6つになります。

結婚前に考えておきたいお金のこと

  1. 離婚のリスクは絶対に頭の片隅に置いておくこと
  2. 結婚前にためていたお金は一切相手に公開しないこと
  3. 預金口座を新しく作ること
  4. 家庭の維持に、結婚前の資金を使わないこと
  5. 結婚資金を貯めてから結婚すること
  6. 先に自分が死んだ時の親の面倒のことを考えておくこと

1つずつ見てみましょう

1 離婚のリスクは絶対に頭の片隅に置いておくこと

何という話をするんだ!けしからん!
と思うかもしれません。

でも、今や結婚した夫婦の3分の1が離婚する運命にある時代です。

今いくら幸せ一杯だったとしても、将来 未来永劫のその状態が続くと思うのは少々能天気です。

そうなると、「いつかは別々の道を歩むかもしれない」という冷静な考えは、ほんの少しでももっておくべきです。

離婚の時に難しいのが、財産分与。

もし離婚をする時に一番大変なのが、ズバリ財産分与です。
というのも、結婚生活中に築き上げた財産・お金は、離婚により原則的にはお互いが合意した分与がされます。
ですが、合意がされない場合は、夫婦で均等に分けることになります。
いざそうなった時に、少しでも自分に有利な状況にもっていくことが必要です。

まずは、この考え方だけを知っておいた上で、2-6の事項を読んで下さい。
すべてはこの考え方が基本になります。

2 結婚前にためていたお金は一切相手に公開しないこと

これは基本です。

結婚が近くなると、特に妻の方は結婚後の生活水準はどうなるんだろう、と現実的なことを考えることが増えます。
誰だって豊か(お金においても)な生活が送りたいですよね。お金に苦労したくありませんよね。

ですので、相手の収入を知りたがります。
収入が分かれば、相手の趣味や金遣いの荒さなどを考えれば貯金・貯蓄も大体予測がつくものですから。

でも注意して下さい。

さいあく、収入は教えても良いですが、それまでに自分が貯めた貯金や資産、親がもっている金融財産などは具体的に話すのは止めて下さい。

これを伝えてしまうと、まずその結婚前の資産も結婚後の共有財産としてあてにされます。
一緒くたにされてしまいます。

法的にも、共有財産は財産分与される

原則的な話ではありますが、民法によれば結婚後に築いた財産は、夫婦の共有財産となります。
ということは、離婚をした場合に財産分与の対象となります。
50%ずつに分与するかどうかは個別のケースによりますが、原則的に半分ずつ分けるという事をまずは考えておきましょう。

もし、結婚前の貯金を結婚後の生活資金として使った場合、もうそれは共有財産として消費されたものとして取り扱われます。
言い換えれば、結婚前の財産も相手に渡ってしまうということです。

離婚後の第二の人生を考えると、それはとても悲しいことです。

結婚前の財産は特有財産として財産分与の対象にならない

一方、結婚前に蓄えたお金や、自身の親などから相続で引き継いだ(若しくは引き継ぐ予定の)財産は「特有資産」として考えられ、離婚時の財産分与の対象にはなりません。

ということは、結婚前に1,000万円貯めた場合で、そのままその1,000万円には手を付けず結婚生活をしていた場合、
離婚をしてもその1,000万円はそのまま自分に残る事になります。

以上のことから、特有財産については、相手に公開せず「自分のいざというときの資金」として守る事が重要です。

相手に非があり離婚になった場合でも、財産分与には影響がない

例えば、パートナーの不倫等不貞行為により離婚に至った場合であっても、財産分与の自分の割合が増えるということはありません。

もちろん、夫婦間で「お前が悪いから財産分与はゼロね」と合意がされれば、民法上では問題がありません。
そのとおりに相手には分配無しでもOKです。
ですが、もしこじれた場合、家庭裁判により割合が決定されます。

心情としては、相手に非があるから自分に沢山分与があるのが当たり前!
と思うのは当然ですが、財産分与の比率は、不貞行為の有無に関わらず基本的には5対5 ということになります。

相手の非の部分は、財産分与とは別の「慰謝料」として別の計算になります。
もちろん、財産分与された中から慰謝料を支払うのが普通だと思うので、結果的には財産分与の割合に影響がある という考え方もできるでしょう。
ですが、あくまで財産分与と慰謝料は別と考えておきましょう。

3 預金口座を新しく作ること

上記2とつながっていることですが、結婚前の特有財産が入っている預金通帳をそのまま結婚生活で使うと、
どうしても特有財産と共有財産の区分がつきにくくなります。

結婚すると同時に(実際はその前に準備しておくことが必要です)、新しい自分名義の銀行口座を作り、給料はその新しい口座に振り込まれるようにすることが重要です。

それをしておくことで、元の口座は「特有財産」、新しい口座のお金は「共有財産」と明確に分けることが出来ますし、元の口座の取引履歴や残高も見せる必要が無くなります。
新しい口座の方は、家計管理をどちらがやるかに関係なく、相手に見られる可能性は高いと思うので、結婚前の情報を一切隠すためにも別口座を作ることをおすすめします。

4 家庭の維持に、結婚前の資金を使わないこと

次に、結婚後の家計の維持には結婚前に貯めた財産を使わないことが重要です。

一時的に足りない時

結婚してすぐ車を買ったり、賃貸マンションを借りるために敷金・礼金である程度のお金が必要になったり、、、
そういう支出が重なり、結婚後の共有財産を超える支出がある場合があります。

その場合は、遠慮なく銀行から借金をしましょう。
間違ってもアイ◯ル等の消費者金融から借りてはいけません。破滅しますよ。

自分の結婚前のお金がある程度あったとしても、公開をする必要はありません。
今は金利が非常に低い時代。一時的な支出であればどんどんお金を借りれば良いと思います。

どうしても借金が抵抗があれば、特有財産から家計に「貸しつけ」とすること

とはいえ、借金をするにも保証もなくて難しい場合もあるでしょう。
また、少額とはいえ金利を払うことに抵抗がある場合もあると思います。

そんな場合は、特有財産を出しても良いですが、それは銀行から借りる場合と同じように、毎月◯万円を返済する といったように決めて、家計の口座から自分の口座に返済をするようなルールを作るべきです。

そうしておくことで、その借金は個人対家計 の間の取引として、共有財産に組み込まれないような明確な分離が出来ます。

5 結婚資金を貯めてから結婚すること

結婚式というか披露宴をしない夫婦も増えてきていますが、どうしても親戚の付き合いやパートナーやその家族の希望で結婚式・披露宴をする必要があることも多いと思います。

披露宴は規模にもよりますが、100万円~地域や招待客の多さによっては1,000万円近くもかかることがあります。
もちろんご祝儀である程度はまかなえますが、全部をご祝儀で賄うことは難しいかと思います。

そんな大金はすぐには貯まるはずがありません。

結婚を決めてから結婚式までの間を余裕を持つこと

いわゆる牛歩戦術です(笑)
結婚をすることが決まってから、いつ結婚式をする予定の日まで時間的な余裕・マージンを作ることです。
それにより、お金を貯める絶対的な時間が生まれます。

私の場合は、そういうつもりではなかったのですが、結婚を決めてから披露宴まで10ヶ月位の時間を空けました。
結婚を決めた時点で、2 の銀行口座を分け、新しい口座で結婚資金を貯めるようにしたことで、なんとか結婚資金を特有財産を使う必要が無く済みました。

結婚式自体、それほど豪勢にやらなかったので、なんとかまかなえた面もあります。

このように、固特有財産を一切公開したり、一時的にでも使わなくて良いような状況を意識的に作りだしました。

6 先に自分が死んだ時の親の面倒のことを考えておくこと

この視点は見落としがちです。
特に、嫁として夫の家に入っている家庭については、切実な問題です。

自分が死んだ後、財産は原則半分が妻に渡ります。
そして残りは子供に均等配分されます。

そうすると、全てが妻と子に渡ることになります。
それは、自身に相続や名義変更された先祖からの財産も、結婚前に貯めていた特有財産も全てが対象になります。

不幸にも親より早く夫が他界してしまったら。
どうなるでしょう。夫が居なくなった家には夫の親が残っています。

夫亡き状態で、妻がそのまま家に残り親の面倒を見てくれるとは限りません。
そのまま子供を連れて家から出ていくことも十分考えられます。

そうなったときに家に残された親を面倒みるお金も人もいません。

もちろんそうならないように、妻と母の間で生前に良い関係を築いておくに越したことはありませんが、
それほど甘いものでは無いと思います。
妻が財産だけもらって、親をほかって出ていく可能性はちゃんと考慮しておいて下さい。

そうならないように、特有財産の名義を親に移して置くという手もありますが、それはそれで贈与税の対象になります。
また、現実的には親の方が早く他界する可能性が高いので現実的とは言えません。

一つの方法としては、特有財産については遺言で全てを兄弟に渡すという選択肢があります。
もちろん、妻や子には遺留分という概念があり、訴えられたらある程度を渡すことにはなりますが、少なくても50%は残ります。
そうすることで、万が一自分が死んでも最悪。同じ血を分けた兄弟に財産が渡ることで、親の面倒を見てもらう原資が少なからず生まれることになります。

まとめ

以上、結婚前に心がけておくお金に関する準備のお話でした。

誰もが結婚するときは離婚の事なんて考えないと思いますし、考えたくもないと思います。
しかし、一つのリスクとしてしっかり考えておくことは、自分自身、また血を分けた家族を守るという意味においても有用な事です。

もちろん、そういうリスク自体を回避するために円満な家庭を築いていくことが一番大事なので、その点は付け加えておきます。







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  1. tonton より:

    こんにちは。
    私は離婚経験者です。
    今この記事を拝見し、凄く納得する事ばかりです。
    タイムマシンで結婚前に戻りたい!!(笑)

    • oreore より:

      コメントありがとうございます。
      納得していただいたのなら嬉しいです。
      ・・でも時すでに遅かったようですね(笑)

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お金関係に詳しいアラフォー子持ちブロガー。

副業でせっせとお小遣い増を目論むも、副業が順調すぎて脱サラ&法人化を実現しました。

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