レビュー

劇場版 機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)を見たのでレビューしたい【ネタバレ】

投稿日: 2018年12月1日      更新日:

本日(投稿したのは12月1日だけど)、機動戦士ガンダムNTを劇場で見てきました。
早速ネタバレを含めたレビューをしていきたいと思います。

目次

ストーリー

まずストーリー。
ストーリーは基本的にガンダムUCの1年後の世界。
まぁほぼ続編というか外伝というか、繋がった世界観です。

あれだけ盛大にやった宝探しの結果、開放されたラプラスの箱=失われた宇宙世紀憲章だったけど、結局世界は変わってないよ。
相変わらずジオン残党と地球連邦が対立している図式。いつまで経っても変わらないのね、ジオンの皆様は。

本筋はそれではなく、ユニコーン3号機を巡る小競り合いの中で、主人公ら3人にフォーカスを当てたミニストーリーである。
いわば、宇宙世紀に華々しく散ったアムロとシャアの戦いの3年後(=ガンダムUC)に展開した、ちっちゃな小競り合いの、更に1年後のユニコーン3号機を巡る短編映画という感じ。

キャラクター

次にキャラクターです。

主要なキャラはすでに公式サイトにも公開されており、事前に見ておいたほうが良いでしょう。
1年戦争時に幼少期を過ごした青年達3人が主役です。

公式サイトにはダーーーーっとたくさんのキャストが載っていますが、ほとんど存在感ないですよ。

なんか薄いぜ主人公

とにかく感じたのが、主人公ヨナ・バシュタの薄さ。
25歳というガンダムにしてはオッサンということもあり、なんかパッとしない。
脇役感が拭えない。

いわばララァ的なキャラであるリタに関しても、まぁプルっぽい明るさを持ってはいるがいかんせんリアルタイムで存在していないため、いまいち薄い。

更にミシェルは、いまいち感情移入できないとっつきにくいキャラで、正義か悪かよくわからない味付け。
まぁ最終的には「いいひとでしたー」って感じで死んでいきました。

うーーん。。

まぁ1時間半の短い映画の中で全てのキャラを立たせるのは無理があるのでしょう。
ややキャラの背負う背景がわかりにくく、イマイチでしたね。

バナージ出たよ

最後の方にでました、バナージ。

基本的にはミネバ様が抑止力になっているジオン公国側についていて、ジンネマンと組んで動いているようです。

なんとなくソレスタルビーイングが00の最終回で「世界の抑止力となる」って感じで、目立たず活躍しているみたいです。

でもこの辺りは脚本上手ですね、僕もバナージ出たときは「おおぅ!」って興奮しましたよ。
・・・つかガンダムと同化しちゃったんじゃなかったけ?バナージ。あれれ。

ゾルタンの小物感

ラスボスはゾルタンです。シャアの再来である偽物フル・フロンタルにもなれなかった失敗作。

フル・フロンタルの知性的で冷静なキャラとは正反対の、ややヤンキー的な性格。
ビジュアルもなんかパンクロッカーのようで、どうも小物感がすごい。

立ち位置的にはラスボスだし、シャアやフロンタルと同じポジションなのに、ランク的にはギュネイ・ガスやアンジェロ・カウパー、いや失礼。アンジェロ・ザウパーと同じくらいに感じる。

これも時間が足りなかったため、失敗作になった原因やストーリーが見えないため仕方が無いのかも。

どうでもいいけど、最近読んだ東京喰種の仮面作ってる人に似てたな。目も赫眼っぽかったし。

コイツにシナンジュやネオジオング乗られるとは、フロンタルもあの世で悲しんでいるだろう。

メカ

続いてモビルスーツやモビルアーマーについて。

あんまりニンマリMSは出てこなかった

ガンダムUCは毎話、「この機体出すかねぇ!」という興奮を味わえ、毎回楽しみだったわけですが、今回のナラティブはそれほど驚きのMSは出てこなかったです。

ナラティブ A装備はカッコいい

主人公機であるナラティブガンダムの登場時のA装備。これはかなりかっこよかった。
いわばデンドロビウム的なゴテゴテマシンなんだけど、素のナラティブの味気なさを見事に隠してくれている。
結局みんなデンドロビウム大好きなのよね。

有線インコムやら、UFOキャッチャーみたいな鉤手やら、なかなかおもしろいギミックは多かった。
本気でプラモを売ろうとしている感はよく伝わったぞ。

会場でHGのナラティブA装備が売ってたみたいだけど、僕が行ったレイトショーの時間にはもう売り切れていました。
代わりにガンダムORIGINのザクが山積みされてましたけど、あれ買うやつ居るのかな?(笑)

Ⅱ(セカンド)ネオ・ジオング

UCでは出てきたけどすぐなんかポロポロ崩れてしまったネオ・ジオングの弐号機が登場しました。

マシン的にはほぼ同じものだと思いますが、カラーリングが白です。
赤よりこっちのほうがカッコいいな。
UCと違い、結構早めの登場で、最後まで出ていましたので今回はかなり長く活躍してました。

まさかナラティブと合体するとは!ちょっとスカスカしているように見えましたが、こういう展開も福井氏のオッサンガンダムファンに対するサービスなんですよね。

感想

まぁざっくりとガンダムNTを彩る要素について書いてきましたが、ここからは僕の感想です。

ガンダムフォーマットには則っている

うん、宇宙世紀のガンダムらしく、いつものフォーマットのキャラや展開です。

アムロ的なキャラとしてはUCではバナージ、NTではヨナであるのはわかりやすいですが、
シャア→フルフロンタル(UC)→ゾルタン(NT)
ララァ→リタ(NT)
黒い三連星→トライスター(UC)→セザール隊(NT)

にそのまま当てはめられるし、ガンダムお得意の最終局面でのカタストロフィ感は今回は
燃料の同時臨界 により地球にコロニー3機分の残骸が落ちる という危機がありました。
UCだと、コロニーレーザー(グリプス2)だったし、ガンダムではソーラレイであったわけです。

まぁ丁寧にフォーマットに則ったなぁと思いました。

小さい世界観を派手に引き伸ばした感

やっぱり、UCという歴史に残る戦争でも紛争・事件でもなく、割と私的な小さな物語という感が拭えませんでした。

小さな小さな世界観を、スピード感とMS戦闘の作画や澤野氏の音楽で強引に盛り上げて、なんだかわからんうちに終わってた、っていう感じ。
ストーリーとして面白みはいまいちだったかな。

次の100年につながるか?

そして、バンダイが掲げるUC NexT100 宇宙世紀の世界観の拡大を意図したプロジェクトの第一弾としての作品だったわけです。
歴史の間の小さな事件を映画化した本作で、壮大な宇宙世紀に新しい歴史を感じさせるポイントはありませんね。

主人公が入れ替わった感

これが一番まずかったかな。

バナージが出てきてからは、もう心は全員バナージに向いているような印象を受けました。
UCの最終話でアムロやシャアが出てきても、あくまで演出という捉え方ができましたが、本作はヨナたちのキャラ背景がうすすぎて、バナージに主人公をバトンタッチしたのかな?と思うような状態でした。

なんとなく、ガンダムSeed Destinyでシンが主人公だったのに、後半はキラに乗っ取られてしまった時のことを思い出しました。

オカルト強いなあ

本作は本当にオカルト要素が強いです。

コロニー落としの予知から始まり、Mrマリックもびっくりなサイコパワーによる物質破壊など。
UCの最終話でバナージが緑のサイコフィールドを発生させたときに、それを受けたMSはジェネレーターが分解されていたとのシーンがありました。
そんな馬鹿な。

もうニュータイプやサイコフレームの概念はなんやねん、と思えてきました。

音楽はさすが澤野氏

ガンダムUCですっかり澤野氏の音楽にハマってしまった僕ですが、NTでもしっかりストーリーを盛り上げてくれました。

特にナラティブガンダムの登場シーンの、腹に響くバスドラムの4つ打ちのリズムと歌はめちゃくちゃ興奮しました。

またUCで流れていた曲も随所に別アレンジで登場し、UCファンもついニンマリしてしまうシーンもあったのではないでしょうか。

まとめ

以上、記事として書いてしまうと割と辛口に見えてしまいますよね。

でも実はめちゃめちゃ楽しかったんです。
世界観は何度も言うように小さくて狭い話なんですが、演出や戦闘の作画、メカのかっこよさなどでお祭り状態が続きます。
一つの外伝として見れば、十分満足できる作品です。

正直ブルーレイ欲しくなりましたよ。

宇宙世紀好きのオジサンたちは、ぜひ機動戦士ガンダムNTを見てほしいと思いました。

 







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