レビュー 太陽光発電投資

一般家庭で蓄電池システムを導入すべきかシミュレーションしてみた

投稿日: 2018年5月18日      更新日:

ゼロ・エネルギー住宅(ZEH)という言葉を聞く機会も増え、環境に優しい住宅が増えてきました。

それを支えるのは、

  • オール電化による天然ガスの不使用
  • 太陽光発電による利用電力の自給化
  • 蓄電池システムの導入により、電気自給率を100%に上げる

という概念です。

それ故、太陽光発電とセットでの導入のケースが多い「蓄電池システム」についてしっかり考えていきたいと思います。
今回は、あくまで一般家庭向けの記事ですので、企業や事業用の方は別のサイトで学習して下さい。

目次

蓄電池システムの概要

まずは、蓄電池システムって何?ということから始めます。

恐らく、このページにたどり着いた方は
蓄電池の基本的な知識を持っていて、導入に興味があるが、投資が回収できるのか調べている。
というパターンがほとんどだと思うので、いまさら説明をする必要も無いかもしれませんが、全く無知な方もいらっしゃるとおもうので簡単に説明します。

蓄電池とは

電池という言葉が入っているとおり、蓄電池とは、例えばスマホ用のモバイルバッテリーのようなものです。
電気を蓄えられる機器で、モバイルバッテリーと同様に、充電と放電(使用)を繰り返し出来る装置になります。

モバイルバッテリーと大きく違うのは、その容量にあります。
モバイルバッテリーはUSB等微弱な電流・電圧に対して使えますが、蓄電池は家庭の100V電源の代わりに使える、巨大なモバイルバッテリーみたいなものと認識して下さい。

蓄電池で電気代を減らせる仕組み

では、蓄電池を導入するとなぜ電気代が減らせられるのでしょうか。
よくセットで考えられる太陽光発電という概念はとりあえず無視をして考えてみます。

一般家庭が電力会社から買う電力は、電気需要の高い昼間の電気代が高く、夜は安いという仕組みになっています。

何時から何時までが昼の電気代、何時から何時までが夜の割安電気代 という時間は電力会社により微妙に違うようです。
今回は、東京電力を例とします。
東京電力では、23時から7時の8時間を夜間の割安電力に設定をしています。

参考までに、
夜間電力:12.25円/kWh
日中電力(夏季):38.72円/kWh

となり、最大で3倍ほどの違いがあります。

蓄電池システムでは、この電力が割安の夜間に電力会社から電力を買い、蓄電池に溜め込みます。
で、翌日の昼間の活動時間には電力会社から電力を買わず、蓄電池に貯めた電力で家庭の電力をまかなう。

というのが基本的な仕組みになります。

どれだけの容量の蓄電池が必要か

どれだけの電気を使うかは、家庭によりかなりの差があります。
ここでは、月1万円程度の電気代の場合を例に考えてみます。

恐らく、月1万円位の電気代だと、使用電力量は400kWh程度になるかと思います。
もし、これを1ヶ月(30日)で均等に使っていたとしたら、1日あたり13kWのh 使っていることになります。

つまり、13kWhの容量の蓄電池があれば、1日その電力だけで過ごせることになります。

もちろん、13kWhの中には、冷蔵庫等夜間にも止まらず動いている家電もあるので、実際は日中の割高な電力を使っているのはもっと少ないでしょう。

ですので、日中:夜間の使用電力を8:2 と仮定すれば、実際は13✕80%=10.4kWhの容量があれば高い電気代を使わずともOK
という計算になります。

蓄電池の導入はまだまだ高価

一般的な蓄電池システムは、非常に高価です。

例えば、国内ブランドであるPanasonicの5.6kWh容量の蓄電池は、170万円位します。
つまり、1kWhあたり、30万円もすることになります。

先程の例、1日の日中電力をまかなうための10.4kWhの容量を準備するとなると、この蓄電池が2基必要です。
単純に2台分で340万円かかります。

凄く高いですね。

蓄電池導入によるキャッシュフローシミュレーション

では、上記の例におけるキャッシュフローを具体的に考えてみます。

考慮すべき要素

蓄電池システムを導入する再に検討すべき要素をあげます。

  • 蓄電池購入代金
  • 蓄電池設置費用
  • 補助金
  • 使用可能期間

です。蓄電池の購入代金については、今回は上記340万円と仮定します。

蓄電池設置費用

こちらは、家庭用の電源系統に繋ぎこむ必要があります。
でないと、蓄電池から電気を使うことが出来ないですからね。

一般的な設置工事費用は30万円位を見ておきましょう。

補助金

蓄電池システムは、自治体により補助金が出るところがあります。

補助金は、一般的に1kWh当たり5万円を上限として支払われます。
ただし、上限金額が20万円等設定されており、今回の11.2kWh(5.6kWhを2基)を導入しても20万円しか戻りません。

使用可能期間

蓄電池は、一般的な充電電池と原理は同じです。
充放電を繰り返していけば、少なからず経年劣化をしていきます。
一般的に約10年位が目安です。

キャッシュフローシミュレーション

以上の条件から、以下のような前提でシミュレーションしてみましょう。

<シミュレーション条件>
蓄電池システム代金:340万円
蓄電池システム設置工事費:30万円
補助金:20万円
使用期間:10年間
1ヶ月の使用電力量:400kWh
1ヶ月の平均電気代:1万円

トータルコスト

設置に掛かる費用を合計すると、
340万円+30万円-20万円=350万円

となります。

蓄電池導入により削減出来る電気代を計算

1万円の電気代の契約を夜間に割安になるプランに変更します。
それにより、電気代が50%削減出来たとします。
それを10年間継続すると、、

すると、1万円✕50%✕12ヶ月✕10年間=60万円

という計算となります。

つまり 大損だ

以上のトータルコストと削減電気代を計算すると、
350万円-60万円=290万円となり、290万円の赤字です。

こりゃてーへんだ。大損だ。

結論 蓄電池システムを導入すべきか

ということで、2018年現在における蓄電池システムの設置シミュレーションを中心に書いてみました。

シミュレーション結果でもある通り、現状は蓄電池の価格が高く、どうやっても回収出来ることは無さそうです。

今後、蓄電池の価格は下がっていくでしょうし、テスラ社のPowerwall2等、激的に安い蓄電池システムも登場してきています。
投資と回収のバランスが取れる時も近づいていると思いますので、引き続きこの蓄電池システムに注目していきたいと思います。







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お金関係に詳しいアラフォー子持ちブロガー。

副業でせっせとお小遣い増を目論むも、副業が順調すぎて脱サラ&法人化を実現しました。

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