ある程度の年齢になってくると必ずやってくるだろう、「親の死」。
悲しい出来事ですが、生物の仕組み上、避けられないイベントです。
多くの場合で、親名義になっている不動産(土地・建物など)を自分名義にすることになります。
その名義変更をする届け出を「所有権移転登記」といいます。
登記と聞いて腰が引けるかもしれませんが、少し待ってください。
実は誰でも簡単にできるんです。
今回はこの所有権移転投資を自分でやる ということについて書きます。
目次
所有権は変えておいた方が良い
そもそもなぜ所有権を変更する必要があるのでしょうか。
毎年1月1日時点の所有者に対し、市区町村より固定資産税が課せられます。
このときの課税対象は所有者です。
所有権移転登記をしないとどうなるか
不動産の名義を変更しない場合、いつまでも亡くなった親名義で納税通知が来ることになります。
でももう亡くなっていますので、法的にはその不動産を相続する人(相続人)全ての共有資産とみなされ、全員に納税義務が生じていることになります。
現実的にはその不動産を管理する人が誰かは決まっているでしょうから、その人が支払うことで問題なく納税できると思います。
ただ、気持ち悪さは残りますよね。誰の不動産なのか暫定的に決められている状態、いわば宙ぶらりんな不動産といえます。
よく、祖父の名義のまま、祖父も亡くなり、父も亡くなり、数十年も2代分名義変更をしてないような場合もあると聞きます。
これは、祖父が亡くなったときの相続人も確定しておらず、父がなんとなく引き継ぐことになった。
が、その状態で父も亡くなった ということになります。
祖父から父に権利が正式に移転しているわけでは無いので、その土地は祖父の兄弟にも相続する権利が残っている状態です。
なので親戚に、正式に父が引き継いだことを承認してもらう必要があります。
その親戚と疎遠になっていれば、それをきっかけで「うちにも貰う権利がある」などとごねられる可能性も生まれます。
また、自分が正式に所有者ではない不動産は、第三者に売ることもできません。
自分が正式な所有者と認めてもらっていない状態ですので、当然といえば当然です。
こうならないためにも、しっかりと所有者が亡くなるたびに相続人同士で話し合い、遺産分割の協議をする必要があります。
この遺産分割については長くなりますので今回は省きたいと思います。
所有権移転にかかる時間・費用
所有権を移転すべき理由を知ったところで、実際に所有権移転登記をするために必要となる時間や費用はどれくらいかかるでしょうか。
期間
単純に手続きを司法書士などに依頼した時点から所有権が移転完了するまでの期間で言えば、1ヶ月位が目安になります。
ただし、遺産分割がまとまらなかったり、書類に不備があって訂正が必要になったり、法務局の事務作業が遅れたりすることも有りえますので、あくまで目安程度に考えておいたほうが良いです。
費用
相続により発生した所有権移転の場合、司法書士に依頼した場合は5万〜8万円位がかかることになります。
この相場はあって無いようなものなので、その司法書士ごとに全く違う料金体系だと思いますが、これくらいの費用は覚悟しておく必要があるでしょう。
また、法律で決まっている「登録免許税」を法務局に納める必要があり、これは固定資産価格の0.4%となります。
1000万円の土地であれば4万円ということになります。
所有権移転登記は自分で簡単にできる
前述のとおり、所有権移転登記には避けられない「登録免許税」は別として、司法書士への代行手数料が必要となります。
ですが、実は司法書士に依頼をするのは義務ではありません。
誰でも簡単に自分で登記ができてしまうのです。
詳しいやり方は色々なサイトで紹介されてますので「相続 所有権移転 登記 自分で」などでググってみてください。
簡単な手続きで数万円が節約できるなら嬉しいですよね。
是非自分でやってみてほしいと思います。
まとめ
僕自身、親がなくなったときは自分で登記を行いました。
法務局に2度足を運ぶために会社を休んだりする必要もありましたが、手続き自体はあっけないほど簡単に終わりました。
自分の勉強にもなりましたので、とても良い経験だったと思います。
知人にそのことを話すと「すごいね」と言われますが、実際は大したことありません。
老親を持つ方などは、是非自分で登記してみる という選択肢も頭に入れておいてください。